お姫ちゃんの絵本部屋

お姫ちゃんがうなった!厳選絵本をご紹介♪

おはなをあげる

☆世界は色づいていく☆

おはなをあげる (ポプラせかいの絵本)

おはなをあげる (ポプラせかいの絵本)

 

25ページ 読み聞かせ:3分

内容

文字の無い絵本。

女の子は、お父さんと買い物から家へと帰る道すがら、道端に咲く花を摘んでいく。

そして、摘んだ花を出会うものたちに渡していく。

家に着き、お母さんと、兄妹にも花をプレゼントする。

花を渡していくごとに、世界はどんどん色を増していく。

自分の髪に花を飾って、外の世界へ歩きだす。

 

感想

カナダの詩人とカナダの画家による作品。

文字がないから、2人でワイワイ話ながら読み進める。

 

はじめのうちはモノクロの世界に、女の子の上着だけが赤い。

女の子はいつも何かを探しているようで、道端で見つけるいろんなお花を摘み、

小さなブーケが出来上がる。

 

小道の真ん中で死んでいる小鳥にお花を手向ける女の子。

お姫ちゃんも、道の上で干からびたカエルにお花を飾ってたっけ。

ひいおばあちゃんのお葬式で、お棺の中にお花を入れてあげてから。

亡くなった者にはお花って理解したよう。

小鳥の胸に飾られた黄色の花々を見て、お姫ちゃんはうなずいていた。

 

ベンチで横になるおじさんの足元にお花をあげる女の子を見て、

「おじさんはどおしたの?」って気にするお姫ちゃん。

おじさんはなんだか寂しそう。

「おうちに帰れなくなったのかな?」って鋭いねぇ。

 

女の子は、散歩中のわんこの首輪にもお花飾ってあげる。

飼い犬のあーちゃんに、月見草の花を飾ろうとして、食べられてた。。

犬はお人形の様にはいかないよね。

 

家に到着してお母さんに抱き着く女の子。

ここはお決まりのパターンでお姫ちゃんもハグ。

 

髪に花を飾って見上げた空に羽ばたく鳩の群れ。

歩む女の子の目の前に広がる色とりどりの花々。

日常の風景も子どもにとっては、小さな発見と驚きの連続で、

小さな感動の波が、色の波動をより鮮明にしていくかのような、

そんなこともあったよなぁと大昔の自分と重なり合うシーン。

 

帰り道に見つけた花を摘んでは、摘んだ花をどうしたらよいのか困った。

貰ってくれる人がいなかったから。

結局、いつも犬のところへ持っていった。

今は花を貰う側になって、なんだかくすぐったい気持ちにさせられる。

犬もいつもニコニコしてたっけ。

貰った花はどんなものでも、小さな花瓶やお皿に直ぐに生ける。

 

心と心で向き合えればそれで満足。

小さな世界に鮮やかな花が咲く。