おはなをあげる
☆世界は色づいていく☆
- 作者: ジョナルノローソン,シドニースミス,JonArno Lawson,Sydney Smith
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2016/04/04
- メディア: 大型本
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25ページ 読み聞かせ:3分
内容
文字の無い絵本。
女の子は、お父さんと買い物から家へと帰る道すがら、道端に咲く花を摘んでいく。
そして、摘んだ花を出会うものたちに渡していく。
家に着き、お母さんと、兄妹にも花をプレゼントする。
花を渡していくごとに、世界はどんどん色を増していく。
自分の髪に花を飾って、外の世界へ歩きだす。
感想
カナダの詩人とカナダの画家による作品。
文字がないから、2人でワイワイ話ながら読み進める。
はじめのうちはモノクロの世界に、女の子の上着だけが赤い。
女の子はいつも何かを探しているようで、道端で見つけるいろんなお花を摘み、
小さなブーケが出来上がる。
小道の真ん中で死んでいる小鳥にお花を手向ける女の子。
お姫ちゃんも、道の上で干からびたカエルにお花を飾ってたっけ。
ひいおばあちゃんのお葬式で、お棺の中にお花を入れてあげてから。
亡くなった者にはお花って理解したよう。
小鳥の胸に飾られた黄色の花々を見て、お姫ちゃんはうなずいていた。
ベンチで横になるおじさんの足元にお花をあげる女の子を見て、
「おじさんはどおしたの?」って気にするお姫ちゃん。
おじさんはなんだか寂しそう。
「おうちに帰れなくなったのかな?」って鋭いねぇ。
女の子は、散歩中のわんこの首輪にもお花飾ってあげる。
飼い犬のあーちゃんに、月見草の花を飾ろうとして、食べられてた。。
犬はお人形の様にはいかないよね。
家に到着してお母さんに抱き着く女の子。
ここはお決まりのパターンでお姫ちゃんもハグ。
髪に花を飾って見上げた空に羽ばたく鳩の群れ。
歩む女の子の目の前に広がる色とりどりの花々。
日常の風景も子どもにとっては、小さな発見と驚きの連続で、
小さな感動の波が、色の波動をより鮮明にしていくかのような、
そんなこともあったよなぁと大昔の自分と重なり合うシーン。
帰り道に見つけた花を摘んでは、摘んだ花をどうしたらよいのか困った。
貰ってくれる人がいなかったから。
結局、いつも犬のところへ持っていった。
今は花を貰う側になって、なんだかくすぐったい気持ちにさせられる。
犬もいつもニコニコしてたっけ。
貰った花はどんなものでも、小さな花瓶やお皿に直ぐに生ける。
心と心で向き合えればそれで満足。
小さな世界に鮮やかな花が咲く。