こわい、こわい、こわい?
☆怖いものは怖い!☆
- 作者: ラフィクシャミ,カトリーンシェーラー,Rafik Schami,Kathrin Sch¨arer,那須田淳
- 出版社/メーカー: 西村書店
- 発売日: 2016/11/07
- メディア: 大型本
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24ページ 読み聞かせ:9分
内容
子ネズミのミナは、おかあさんと兄弟たちと一緒に穴のなかで暮らしている。
ある日、たべものを探しに出かけていたおかあさんは、
ネコに追われて穴に戻ってくる。
「こわい、こわい、こわい。」というおかあさん。
「コワイって」どんなものかを知りたがるミナ。
「コワイ」を探しに、ミナはひとりで外へ出ていく。
ライオンに出会い。
カバに出会い。
スカンクに出会い。
ハリネズミに出会い。
ゾウに出会い。
大きなイヌに出会い。
バッタに出会い。
115歳のカメに出会い。
そして、1匹のヘビに出会う。
ヘビとの出会いで初めて「コワイ」をみつけたミナは、ネズミの穴に逃げ戻る。
穴の中で、おかあさんとねむっている兄弟たちのあいだにもぐりこんで、
安心して一緒にねむりにつくのだった。
感想
ドイツに亡命したシリア出身のラフィク・シャミさんの作品。
お母さんネズミと、7匹のこどもたちの家庭。
お家と家族の有難さと、外の世界では、
恐ろしいことに出会ってしまう場合があるっていうことを、印象付けてくれる。
ヘビの絵が物凄い迫力で描かれていて、ヘビの苦手な方は要注意。
トラウマになるかも(笑)。。
ヘビに声を掛けられた時のミナのおびえた様子が、上手く表現されている。
「コワイ」って感じる事。自然に。
「コワイ」って足からぞくぞく来る来る!って共感。
「お外は怖いんだよ。」とか、「危険なんだよ。」って言うよりも、
絵本を通して伝えてあげると、反抗期のお姫ちゃんも飲み込みやすい。
ヘビが怖くて私の後ろに隠れたお姫ちゃん。面白い。
ミナに色々教えてくれる動物たちの生き生きとした個性が、
「コワイ」だけでは無い、外の世界に広がる出会いの魅力を伝えているようだった。
お姫ちゃんはスカンクに反応。「くっさいやつ!!」って。
くっさいとか、きたないとか、こどもは大好き。
「コワイ」を知らない、勇敢なミナ。
探求心をもって外の世界へ出て、経験を積んでいく姿に、こどもの逞しさを感じる。
母親にべったりの兄弟たちとは対照的な。
母親の介入しない、こどもの世界を育てることも大切なんだろうな。
作画はスイス出身のカトリーン・シェーラーさん。
お洒落で可愛くてシンプルな背景に、今にも動き出しそうな動物たちが素敵!