お姫ちゃんの絵本部屋

お姫ちゃんがうなった!厳選絵本をご紹介♪

こわい、こわい、こわい?

☆怖いものは怖い!☆

 

こわい、こわい、こわい? しりたがりネズミのおはなし

こわい、こわい、こわい? しりたがりネズミのおはなし

 

 

24ページ 読み聞かせ:9分

内容 

子ネズミのミナは、おかあさんと兄弟たちと一緒に穴のなかで暮らしている。

ある日、たべものを探しに出かけていたおかあさんは、

ネコに追われて穴に戻ってくる。

「こわい、こわい、こわい。」というおかあさん。

「コワイって」どんなものかを知りたがるミナ。

「コワイ」を探しに、ミナはひとりで外へ出ていく。

ライオンに出会い。

カバに出会い。

スカンクに出会い。

ハリネズミに出会い。

ゾウに出会い。

大きなイヌに出会い。

バッタに出会い。

115歳のカメに出会い。

そして、1匹のヘビに出会う。

ヘビとの出会いで初めて「コワイ」をみつけたミナは、ネズミの穴に逃げ戻る。

穴の中で、おかあさんとねむっている兄弟たちのあいだにもぐりこんで、

安心して一緒にねむりにつくのだった。

 

感想

ドイツに亡命したシリア出身のラフィク・シャミさんの作品。

 

お母さんネズミと、7匹のこどもたちの家庭。

お家と家族の有難さと、外の世界では、

恐ろしいことに出会ってしまう場合があるっていうことを、印象付けてくれる。

ヘビの絵が物凄い迫力で描かれていて、ヘビの苦手な方は要注意。

トラウマになるかも(笑)。。

 

ヘビに声を掛けられた時のミナのおびえた様子が、上手く表現されている。

「コワイ」って感じる事。自然に。

「コワイ」って足からぞくぞく来る来る!って共感。

「お外は怖いんだよ。」とか、「危険なんだよ。」って言うよりも、

絵本を通して伝えてあげると、反抗期のお姫ちゃんも飲み込みやすい。

ヘビが怖くて私の後ろに隠れたお姫ちゃん。面白い。

 

ミナに色々教えてくれる動物たちの生き生きとした個性が、

「コワイ」だけでは無い、外の世界に広がる出会いの魅力を伝えているようだった。

お姫ちゃんはスカンクに反応。「くっさいやつ!!」って。

くっさいとか、きたないとか、こどもは大好き。

 

「コワイ」を知らない、勇敢なミナ。

探求心をもって外の世界へ出て、経験を積んでいく姿に、こどもの逞しさを感じる。

母親にべったりの兄弟たちとは対照的な。

母親の介入しない、こどもの世界を育てることも大切なんだろうな。

 

作画はスイス出身のカトリーン・シェーラーさん。

お洒落で可愛くてシンプルな背景に、今にも動き出しそうな動物たちが素敵!