がたぴしくん
☆誰かの役に立つという喜び☆
32ページ 読み聞かせ:6分
内容
「がたぴし」くんは、まちでいちばんふるいバス。
最新型のバスにはかなわないけれど、それでも一生懸命にはたらく。
しごとが大好きだから。
ある日、突然がたぴしくんのエンジンがこわれてしまう。
もうなおらない。
まちの人たちはがたぴしくんを労って、引退式を開き、広場に展示してくれる。
また走りたいと願うがたぴしくん。
ある晩がたぴしくんは、遠足の途中で、仲間とはぐれてしまったこぎつねに出会う。
不思議なお月様のちからをもらって、再び走り出すがたぴしくん。
きつねたちのところへ無事たどり着き、
バスに乗りたがるこぎつねたちを乗せ、
こぎつねの小学校までみんなを送り届ける。
「また来てくださいな。」ときつねに頼まれるがたぴしくん。
満月の夜は、こぎつねたちを乗せ遠足へでかけるようになる。
感想
ほんわかとした、いい気持ちにしてくれる絵本。
おんぼろだけど、楽しそうに働くがたぴしくんが眩しい。
エンジン音が「がたぴし」いうから、がたぴしくん。
この音も楽しい。
お姫ちゃんも「がたぴし!がたぴし!ぶるる!」を連呼する。
修理工場のおじさんが大きなため息をついた時、
ふたりで顔を見合わせてしまった。もうダメなんだ。。
すっかり、がたぴしくんのファン1号&2号。
まちの人たちに愛され、引退後も大切に展示されるがたぴしくん。
本人は、まだまだ走っていたいのに。
なんだか畑を耕し、庭を造って、絵を描いて、山にも登りたい父の様な。
気持ちはあっても、カラダがいうことを利かないもどかしさ。
畑仕事だけで、手一杯。膝・腰を痛めて一休み。あ、ちょっと違うかな。
がたぴしくんは一途だね。
迷子のこぎつねと出会い、その子を助けたいという気持ちから、
不思議な力を使えるようになる。
お月様が与えて下さったのかな?
わくわくする展開!月の光の力で走る!
長い間まちの人たちのために、
一生懸命はたらいてきたからこそ、授かったご褒美なのかな?
普段は、まちの広場に展示され、
こどもたちの遊び場になっているがたぴしくん。
満月の夜になると、
優しい月の光に包まれて、きつねたちと遠足へ出掛ける。
うんと遠いところまで。
路線バス時代にはいけなかったところへ。
まだまだ、夢のような楽しい時間が待っていたね♪がたぴしくん!
毎日は走れないけれど、満月の夜だけ遠足へ行くバス。
そんな優雅な老後が待っているのなら、いいなぁ。
「いやねぇ、僕はねマグロなんですよ~」っていっていた父の顔が横切る。
きっと、わたしも一生マグロなんだろうな。
こぎつねたちに混じって、どんぐりの歌を歌ってくれるお姫ちゃん。
雨が上がったら、どんぐりを拾いにいこう。